ベンゾジアゼピン系睡眠薬はベンゾジアゼピン骨格を持ちますが、ベンゾジアゼピン骨格を持たない睡眠薬は非ベンゾジアゼピン系睡眠薬と呼ばれ、区別されています。 ベンゾジアゼピン系は催眠と鎮静作用があるω1受容体と抗不安と筋弛緩作用があるω2受容体の両方に作用しますが、非ベンゾジアゼピン系は催眠と鎮静作用があるω1受容体だけに作用するとされています。 そのため、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬は不眠の改善作用に特化しており、筋肉を緩めるような作用が少なく、ふらつきや転倒の危険性が緩和されています。 また従来のベンゾジアゼピン系睡眠薬と比べると、依存性や副作用が軽減され、使い勝手のよい睡眠薬として処方が増えています。 しかし非ベンゾジアゼピン系は半減期(血液中の濃度が半分になるまでにかかる時間)は2~5時間、最高血中濃度に達する時間は0.
中間型 効果のピークは1~3時間、作用時間は20~24時間 サ イレース、ベンザリン/ネルボン、ユーロジンが発売されています。 睡眠薬としての強さの違いを、最高用量で比較してみると サイレース>ベンザリン/ネルボン>ユーロジンとなります。 ①サイレース サイレースは半減期は21. 2時間、効果のピークは0. 75時間となっています。このように半減期は比較的長いので、中間型に分類されています。しかしその血中濃度の変化は特徴的で、二段階になっていて、はじめのうちに一気に血中濃度が低下して、睡眠中に一気に薬が体から抜けていき、半減期は実質的に7時間ほどになります。そのため、実質的には短時間型の薬となっています。 そのあとはゆっくりと体から抜けていきます。このようになるのは、サイレースは脂に溶けやすいからで、サイレースを服用すると、体の脂に取り込まれていきます。その成分がじわじわと、あとから血中に戻ってきて体から抜けていきます。このためトータルの半減期は、21. 2時間と長くなります。 サイレースは睡眠時間全体にわたってカバーしているため、入眠障害だけでなく中途覚醒や早朝覚醒にも効果が期待できます。しかしその効果は非常に強く、ほかの睡眠薬でも効果が不十分な場合に、最後の選択肢として使われます。その強さのため、性犯罪に使われたことがあり、アメリカやイギリスなど持ち込み禁止となっています。サイレースは1mg錠、2mg錠の2種類が販売されています。 就寝前に0. 5mg(1mg錠の半錠)あるいは1mgから開始し、最高用量は2mgとなっていますが、高齢者は1mgまでとなっています。 ②ベンザリン/ネルボン ベンザリン錠は、同じ先発品としてネルボン錠が発売されています。 ベンザリンは細粒剤、ネルボンは散剤があり、嚥下能力の低下した患者などにもよいとされています。ベンザリンの半減期は27時間、最高血中濃度到達時間は1.